今回は日ごろ現場で感じているトレーニング指導についての課題、疑問点についての解決のために、魚住先生のところへ個人教授に行ってきました。簡単にまとめたいと思います。

○中間位で動かす
一般的に、トレーニング指導の際には特定の筋肉をターゲットにしたエクササイズを行うことがほとんどです。

例えば、スクワットでは、大腿四頭筋、ハムストリング、大殿筋をターゲットにして行うといったものです。もちろん目的に合っていっればいいのですが、そうすれば特定の筋肉が優位に使われることになります。

動作を行う時、基本的に筋肉を単体で動かすことはほとんどありません。体を動かせば、筋肉は共同、連動して働きます。そう考えると、特定の筋肉をターゲットにしていく必要があるのかという考え方になります。

筋肉の上には筋膜があり、その上に皮膚があります。筋膜は全身に繋がっていますので、体を動かす時には、筋肉ではく、筋膜を動かすことをイメージします。

筋膜を動かすことによって筋肉が動くという考え方です。そうすれば、特定の筋肉をターゲットにするという考え方にはなりません。

今回は、「中間位」というワードが多くでてきました。四肢や体幹を動かすとき、筋肉の緊張バランスが均等な状態、「中間位で動かす」というものです。

例えばスクワットを実践する場合。大腿四頭筋、ハムストリング、大殿筋といった特定の筋肉ではなく、大腿部、下腿部、体幹部が中間位を保ちながら動作を行います。

そうすると、局所的な緊張は感じることなくバランスよく運動することになります。感覚としては、気持ちいい運動であり、いつもこのブログに書いているような「快」の刺激です。中間位で動かしているわけですから、当然筋肉は緩み、バランスが整っていきました。

これは、体感してみないとわかりませんが、動かしていくというか動いているという感覚です。

中間位で身体調整やトレーニングを行うことで体を簡単に整えることができ、筋膜、筋肉に刺激を与えることができるということです。


○腕の緊張を整える
人の体を下から見てみると、土台に地面と接している足があり、下腿部、大腿部があり、その上に骨盤があり、背骨があって最後に頭が乗っかっています。

例えば、膝に問題があるケースでは、膝に注目してアプローチを考えていく事が多いのではないでしょうか。しかし、まず膝に問題がでている原因は何か?を考える必要があります。原因の追究です。

例えば一番上の頭の位置が不適切だとどうなるでしょうか。頭の重みによって首への緊張に繋がり、体幹の左右差が生まれ、結果的に膝に問題がでていることも考えられます。

また、生活の中で一番利用するのは手、腕です。一般の方は基本的に座っている時間が長く、スマホやパソコンを使うことで、腕が捻じれ、その影響が首の緊張や頭のズレに繋がっていることも考えられます。

腕は、肩甲帯との繋がりが深いので、当然体幹部にも影響が出ていきます。
そう考えると、体の上方にある頭、腕、体幹部の影響は全身への影響が大きいのではないかと考えることができます。

手、前腕、上腕、肩甲骨を中間位で動かし、バランスを調整すると、肩の位置整い、腕は伸び、背中、腰の緊張が整いました。

手や腕をターゲットにアプローチを行うことは少ないと思います。筋膜に繋がりを考えると、腕を調整することで全身を整える考え方ができるということでした。

もちろん体の問題は様々な原因が考えられます。トレーナーは問題の原因はなにかを見つけることが大事です。全身的に見立てることの重要性を再認識できました。


○野球の走力についての指導
スタートから3歩、6歩加速までの指導法についてです。一歩づつの指導法についてのアドバイスを頂きました。目的はストライドを伸ばしていく事ですが、加速局面だけでなく、加速した後に勢いをどこまで繋げれるか、楽に走れるかといった加速を感じさせることも大切になります。ポイントは「力まないこと」であり、いかに楽にスムーズな動きで余裕をもって走れるかということが大事になります。

○クリーン
ハングクリーンについての見直し、指導法を復習しました。
①ベントオーバー②引き上げ③キャッチまでの流れを確認していきました。ポイントは、重いものを軽くあつかうこと。そのためには、動作でのリズムとタイミングです。一瞬の力の出し入れの重要性、指導法を再確認することができました。下肢からの力をスムーズに伝えることで外から見ると、動きの軽さが見えることになります。

その他にも、体幹を整えるテープ、顎関節、かみ合わせを整えることで体のバランスを調整する考え方など、様々なアプローチ、考え方を学ぶことができました。早速実践して行きたいと思います。