スポーツをしていてどこかが痛くなったり、エクササイズがイメージ通りの動きにならなかったり、動作についての問題は多くあると思います。

今回はうまく動きができない方への指導ポイントをまとめたいと思います。


動きがうまくできない方はポイントが大きく3つ考えられます。

構造上問題がないか
動きに問題がないか
筋肉に問題がないか

これらのポイントを踏まえて解説していきます。

まず、構造上の問題ですが、これは根本的な問題です。そもそも骨や関節に変形がある、腱、靭帯の問題、異常があれば、根本的に正常な動作はできません。構造上動きが制限されていたり、物理的に難しいケースは相手の状態に合した指導が必要になります。

2つ目のポイントは、動きそのものに問題があるケースです。ここが今日の記事の一番大切なポイントになります。

指導した動作がうまくできない場合、一般的には筋肉が硬い、弱いといった筋肉の問題を疑うことが多いと思います。
骨を動かすのは筋肉ですが、骨は関節の構造に対して動くことになります。
ということは、関節を適切に動かすことができれば、筋肉も正常に動いていくという事が考えられます。

関節の動きは基本的に決まっています
可動域、動く方向や範囲は各関節で決まっていますので、関節の構造通りに骨は動いていくはずです。

ということは、動きができない、スムーズに動かない、引っかかりがある、窮屈になるといったケースは、関節の正常な動きから外れていると考えられるはずです。

要は動きそのものに問題があるということになります。
先日、「右の肩を回すとコリコリ音がなって引っかかる」という相談を受けました。
左右の肩を回してもらうと、右肩の動きが不適切になっていました。
もちろんご本人は気づきません。

動きそのものを修正すると、痛みやコリコリした音も消失しました。そのまま適切な動きを続けていくと、肩周りの緊張が緩んで問題がなくなりました。

動きを修正することで解決していくということです。

そう考えれば、筋肉が硬い、弱いということが問題ではないことがわかります。
動作がうまくいかないときは、その動作が不適切であるということを考える必要があります。

適切な関節の動きを誘導してあげることです。

もう一つ例を挙げたいと思います。
良く聞く話ですが、しゃがめない人は、足首が硬いという考え方です。

このケースは、しゃがめない=足首が硬いという決めつけた考え方になっています。
先ほどの考え方を利用してみると、どう考えるでしょうか、まず、筋肉ではなくしゃがみ方に問題があると考えることです。

しゃがむということは、先ほどの方のケースとは違い、足首、膝、股関節と関節が多数動きます。
そういう複雑な動作の時には関節のスムーズな動きに加え、「体を動かす順序」が目的をを達成させることに重要な要素になります。

しゃがむときは、そこから動かすかというと、足首からです。
足首が緩むと、自然に膝や股関節が曲がり、そこから上肢が自然に垂直方向に落ちてしゃがめます。

今回しゃがみ方の詳細は避けますが、動かす順序を適切にすることで、多くの関節が連動した動きもスムーズに誘導することができます。

ですので、しゃがめない=足首が硬いとはならないと考えられます。
その方のしゃがみ方をチェックして、しゃがみ方を教えることです。

そして、3つ目の筋肉の問題ですが、上記に書いているように関節の構造上問題がなければ、まずは動きをチェックし、適切な動きを教えてあげることになります。

そこで、適切な動作ができているのに動きの可動がでない、できないとなれば、動きに関連する筋肉に問題があると考えていくことすればいいということになります。
そこから、筋肉に対して調整テクニックやエクササイズを利用していきます。


まとめ
構造上問題、異常はないか
動作が不適切ではないか
関節の動きにあっているか
動かす順序は適切か
動きに問題がなければ筋肉の問題と考える
問題に合った調整やエクササイズを選択する

動作の問題は動作を直すことです。トレーナーは運動指導がメインなわけですから、動作の誘導や
指導は必須になります。
動作の修正は難しいですが、トレーナーの強みであります。

XEN7615022_TP_V