魚住廣信先生から学ぶ定例勉強会
テーマ「ランニング」でした。
簡単にまとめたいと思います。

〇トレーニングの原則を生かす
トレーニングの教科書にはトレーニングの原則は必ず書いてあります。
しかし、理論上は知っているが、実際の現場では原則を生かせない、使えていないケースは多いと思います。
特にスポーツの指導では、「特異性の原則」については難しく、勘違いになることは多いようです。
目的に対して適切な方法を選択すること。
そしてトレーニング指導はすべての原則を当てはめることが大切です。改めて考えさせられました。

〇重心移動について
一般的に正しい歩きかたといえば、脚を出して踵から歩くといった事が多いと思います。
しかし、脚をいくら出しても体は移動はしません
必ず重心が前に進むことで体は移動することになります。
歩く、走ることは重心移動であり、重心がどれだけ移動するかで移動スピードが変化します。
重心移動がうまくできないケースでは、一歩目をうまく誘導することでスムーズな歩行に繋がります。
うまく重心を前に誘導し、慣性を作ってあげることで力の使わない歩行、ランニングに繋がっていきます。
相手が理解できるように指導、誘導することが大切です。

〇野球の盗塁について
野球の塁間は27mほどですので、その間で走ることをどう考えるかということになります。
速く走るためには、早く脚を動かすことを考えがちですが、実際は、脚を速く動かしてほとんど速くなりません
速く体を動かす能力は先天的なものであり、速く走るにはピッチではなく、「ストライド」を高める必要があります。
実際にプロのトップ選手は塁間の歩数が少なく、ストライドが長いということです。
そして、ピッチが定数のままで次の塁まで少ない歩数で到達するためには、「加速度」が重要になります。
3歩、6歩で加速し、トップスピードに乗ると、そこからリラックスしてスライディングにはいります。
たった27mですが、ランニング技術が必要になります。
走るといっても様々なケースで考え方は多様です
ただ全力で走るのではなく、目的に対してどう走るか?を考えることです。
大変参考になりました。
また、スタートの位置、構え方、脚の置き方、ベースランニングの考え方なども再確認できました。

〇弾む感覚について
ランニングは歩行とは違い、両足が浮いている局面があり、片足でジャンプを繰り返していると考えられます。
地面から反力をうまく受けることができれば、体は自然に弾むように動く事ができますが、弾みを引き出したいがために、弾みを意識してしまうと余計な力を使いますので、長くは続きません。
弾みは結果的にでるものであり、意識させてはいけない
作った動きは、防御反応がでてしまいます。
自然なリラックスしたランニングフォームに誘導することが大切になります。
そのためにはフラットに着地することです。
片足ホップやスキップで地面から自然に反力をもらうことを練習する必要があります。

〇スピードの余裕率を高める
ハーフマラソン選手の質問がありました。
ハーフマラソンであれば基本的に60~70分走り続けられる持久力が必要です。
練習の考え方は、スピードの余裕率を高めること。
速いスピードを維持するためには、基本スピードを高める練習が必要です。基本のスピードが高まることで、余裕をもってペースを維持することができます。
そして、毎日疲労が溜まるような追い込む練習ではなく、数パーセントでも余裕をもって練習を終えることを続けていく事。
そうすることで、疲労も蓄積せず、個人のレベルに合ったプログラムが作れます。
快適なスプリントのインターバルトレーニング、スピード感覚を得る練習の考え方が紹介されました。
リラックスしたフォームの指導で体進んでいくことを掴む。
適切なフォームでスピード持久力を高めることで余裕率を高め、疲労が蓄積しないように指導することが大切ということです。

〇走って膝が痛いケース
走って膝が痛くなるケースに限らず、何かの動作でどこかが痛くなるケースは、休養だけではなかなか良くなりません。
痛くなる動きを修正する必要があります。
走って膝が痛ければ、走り方を修正することです。
マッサージやトレーニングで痛みがなくなっても、一時的で、根本的に走りが悪ければ同じ痛みを繰り返してしまいます。
そのためには適切なランニングを知る必要があります。

その他にも、スプリントについて、陸上の400m選手の走り方、練習の解説、加速度について、腸腰筋のトレーニングについてなど、様々な学びがありました。
今回も膨大な情報、考え方、再認識事項がありました。

☑ポイントと感じたこと
・トレーニングの原則の重要性
・リラックスした楽なランニングの指導
・余裕率を高める
・フラット着地
・動作痛はその動作の修正が必要
・見極める眼力


精進したいと思います。