一般的にトレーニングといえば、筋力を高める、筋肉を肥大させるといったイメージを持つことが多くあると思います


バーベルやダンベル、マシンなどを扱ういわゆる筋トレと言われるものです。


筋力トレーニングをすれば、スポーツパフォーマンスアップに繋がるといった考え方も多く聞くことがあります。
 

しかしトレーニング=筋トレといった考え方になってしまうとどうなるでしょうか。


ベンチプレス、スクワット、バーベルプレスといった筋肉を鍛えるトレーニングが手段となってしまいます。


もちろん筋トレは重要なのですが、本当に筋力トレーニングをすればいいのか考えないといけません。

 

パフォーマンスアップのためのトレーニング指導は、基本的に「コンディショニングを高める指導」です。

パフォーマンスアップのために必要なコンディショニング要素を高める。

それらの目的に対しての指導を考えていかなくてはなりません。

 

コンディショニングは「身体的」「防衛的」「精神的」「栄養」「休養」の五つの柱があり、一つの要素である身体的な要素の中には、筋力、スピード、調整力、柔軟性、パワーなどがあります。


基本的には、こういった要素をバランス良く高めていく事になります。


筋力を高めるトレーニングは、コンディショニング要素の中の身体的要素のたった一つにしか過ぎません。

 

野球のスイングスピードを高めたければ、スイングスピードを高めるトレーニング、ランニングスピードを高めたければ、ランニングスピードを高めるためのトレーニングを選択していく事になります。


バットを振ったり、走ったりすることもトレーニングになるということです。


柔軟性であれば、どういう柔軟性が必要か、それに対してのトレーニングを指導していきます。

 

バットを振ることでも、走ることでも、柔軟性を高めることもすべてトレーニングだという考え方です。


そして、すべてにおいて「目的」が明確なことが最重要になります、

どういうパフォーマンスアップを目指すか、そしてそのためにはどういうコンディショニング要素が足りないのか、そのためにはどういうトレーニング手段を使うか、それが大切なことです。


トレーニング=筋力トレーニングという発想になってしまうと、先に手段が決まってしまい、ベンチプレスの重量を高めることや、筋肉を大きくすることに気を取られて本来の「目的」を見失ってしまうことにもなりかねません。

 

先ほども書きましたが、筋力はコンディショニングの要素の一つにすぎません。

何のために、どのような筋力を高めたいから〇〇をするといった明確な目的が必要になります。


トレーニングは筋肉を大きくしたり、ベンチプレスやデッドリフトの重量を追いかけるのではなく、すべてのトレーニング指導において、目的を明確にして、そのためのトレーニングを提案する必要があります。