関節のアプローチコースの受講は今回で四回目でした。
今回は下肢編です。
簡単にまとめたいと思います。

〇腰椎
脊柱の一番下にある腰椎は単体で動かすことは難しくなりますので、脊柱全体を繋げて動かす考え方が基本になります。
腰椎には屈曲、伸展、回旋、側屈の動きがあり、動作によってはそのカップリングの動きもあります。
特に腰椎の回旋や側屈はわずかな動きしか出ませんので、細かな誘導が必要となります。
自然な脊柱のラインで、屈曲、伸展、回旋、側屈の動きを誘導していきました。
胸椎が自然のまま腰椎の動きを感じて動かしていくことで、腰の動きがスムーズなり、腰部の緊張が緩みました。

〇仙腸関節
上肢の重みの根っこは仙骨であり、その仙骨と腸骨をつなぐ関節が仙腸関節です。
仙腸関節は日常生活の偏った姿勢や癖で、左右の動きが悪くなっていき、腰痛などの痛みに繋がっていきます。
仙腸関節は上肢、下肢からの繋がりの根っこになる部分ですので、様々な影響を受けやすい事になります。
今回は仙骨の動きに対して腸骨を動かすアプローチ。セルフでの仙腸関節への刺激方法やアイソメトリックを利用したアプローチなど、様々な考え方を実践していきました。

〇股関節
仰臥位で、膝からの繋がりで股関節を緩めていきました。
太ももが緩い状態をみつけ、そのポジションで動かすことで簡単に緩めることができます。
また、足関節→膝→股関節の繋がりで動かすモビリゼーションも実践しました。
不快や緊張はなければ、受け手もやる側も楽であり、筋肉は緩んでいき、下肢全体が整っていきました。
また、屈曲、外転、外旋、内転、内旋の適切な誘導、そこから腸脛靭帯や中殿筋、腰部までつなげるモビリゼーション。
LPPを利用したモビリゼーション、股関節の圧迫を利用した運動の誘導などを実践しました。

〇膝関節
膝の運動は単なる曲げ伸ばしの運動ではなく、下腿の内旋、外旋と組み合わせた動きになります。
屈曲での内旋の誘導、伸展時の外旋の動きを取り戻すことを実践しました。
特に、変形性膝関節症のケースはこの伸展の際の外旋の動きが不十分で伸びきらないケースが多くありますので、適切な動きを取り戻す必要があります。

〇足関節
足部では、脛骨に対して距骨を動かしていくアプローチを復習しました。
適切な関節の動きに導くと、ふくらはぎやスネの筋肉が緩んで本来の形に修正されていきます。
足の使い方が悪くなると、ふくらはぎが横にでっぱったような形になります。
内果は外果よりも少し前にありますので、足関節はやや15度ほど外向いた状態が適切な位置になります。
そこからズレてしまうと、脚全体に影響することになりますので、適切な足首の使い方が必須になります。
その他にも足の指、足根骨を緩めるためのアプローチも習いました。下腿のむくみが取れ、脚全体が軽くなるのを感じました。

今回は関節のアプローチということで、関節の運動の理解→実践という形で非常に現場ですぐに使える内容でした。教科書的に関節の動きがわかっていても、実際相手に合わせてやることが一番難しいことです。どんなケースでも適切な誘導ができるようレベルアップを目指したいと思います。

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